Vol.2997
■学校保健委員会からのお知らせ■■■
『熱中症対策の水分補給もケースバイケースで』
運動会の練習や野外活動が増える2学期。養護教諭より熱中症対策用として保健室に準備しておくなら「スポーツドリンク」と「経口補水液(以下、ORS)」のどちらが適切かとのご相談がありました。
通常の「熱中症対策」や「脱水症対策」ならば「スポーツドリンク」でも「ORS」でも水分と電解質、さらに糖分もバランスよく補給できます。しかし、保健室の利用が必要な状態となれば話は別です。
WHOではブドウ糖の吸収効率は1.0~2.5%程度が最も良いとされています。「ORS」のブドウ糖濃度はこの範囲内にありますが、「スポーツドリンク」では電解質に比べて糖分が過剰傾向にあり、吸収効率は「ORS」に比べ劣ります。
熱中症等により脱水症状を起こしている場合の水分補給としては「ORS」を用いたほうが吸収も早く効果的であることをお伝えしました。糖尿病や肥満症などで糖分やカロリーの制限がある場合でも「ORS」の方が無難であることも。少々コストが高いので、ご相談されたようです。当然、必要ないのが一番ですが...。
* 令和5年5月に法律が一部改正され許可基準型病者用食品に「経口補水液」という区分が新設され、今後は消費者庁の「個別評価型病者用食品」としての許可を得ずに「経口補水液」と表示できなくなりました(令和7年5月末までは経過措置期間)。現在この許可を得ているのは「OS-1」と「アクアライトORS(乳幼児用)」のみです。