Vol.2985
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かがやけ薬剤師!
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■TOPICS■■■
・OTCのオーバードーズによる搬送患者は8割が女性であることが厚生労働省研究班の調査で判明。乱用される薬剤の内訳は解熱鎮痛剤が一番多く、続いて咳止め、かぜ薬の順であった。
■【しばやん】の投稿記事■■■
『医薬品不足の深い事情』
先日、突然薬局にとあるテレビ番組の取材班から電話がかかってきました。「医薬品不足について教えて欲しい」というもの。
変に切り取られて偏向報道されると困るなあ、と思いつつも、マスコミが騒ぎだすことでこの窮状の風向きが多少変わるのではないか、薬局の価値を新たな角度で見つけてもらえるのではないか、と思い、把握している限りのいきさつをお話しました。
先方は「大手GEメーカーの不正問題」を元凶として捉えていたのですが、誰か完全たる悪者がいるわけではない、というのが事実。
もちろん不正した会社に罪であるのは明白なのですが、そんな簡単な話ではないんですよね。
国は将来の医療破綻を憂い、国民皆保険制度の存続のためにGE推進と薬価引き下げ政策を早急に進めました。
結果的にGEメーカーは薄利多売を強いられ、先発メーカーは体力を奪われました。
大手GEメーカー不正が発覚するとともに、他GEメーカーや先発メーカーに注文が殺到するも、コロナや物価上昇や薬価引き下げによって医薬品メーカーは将来的な利益を見込むことができず製造ライン増設などの投資ができないのです。まさに八方ふさがり。
まだまだ沢山の要因もあると思いますが、大体の流れとしてはこんな感じでしょうか?
「だったら国が悪い!」と言い切ってしまうのは浅はかな気がします。もともと国民健康保険制度の破綻を憂いての政策なのですから。だからと言って、メーカー不正問題として民間企業へ責任を押し付けるものおかしい気がします。
もっと言及すると、保険だからといって不要な薬を欲しがる患者さんや、なんでも大量に処方してしまう医師など、国民健康保険制度の副作用が根底にあることも忘れてはいけません。
となるとポリファーマシー問題を解決できない我々薬剤師にも責任の一端があるとも言えますし、我々薬剤師による医薬品の適正化はこれら一連の問題を解消に導く力があることに気づかされます。
原因はともあれ、今対応してくれているメーカーさんも卸さんも我々薬剤師も数十円の薬のために多大な時間と労力を消費して使命感だけで何とか日本の医療を支えているという事実はもっともっと訴えていかないと!
患者さんが露頭に迷ったり必要な医療を受けられていない状況を何とか私たち薬剤師の力で打開したい!
と思う今日この頃です。
それでは、今日も一日頑張りましょう!