そろえておきたい家庭のくすり

急な発熱や腹痛に備えておくすりを用意してあるご家庭も多いと思います。

ご家庭の救急箱には、どんなおくすりをそろえておけばよいでしょうか?

ちょっと救急箱の中を点検してみましょう。

急な発熱、頭痛、歯痛、生理痛のおくすり

発熱、頭痛、歯痛、歯ぐきの痛みやはれ、ひどい肩こり、関節痛、筋肉痛、生理痛には同じおくすりが使えます。

「解熱・鎮痛薬」という種類のおくすりです。アスピリン、イブプロフェン、アセトアミノフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬の成分が入っています。

上手な使い方

15歳以下のお子さんに大人用の鎮痛剤を飲ませるのは避けてください。お子さんのいらっしゃるご家庭では必ず子供用のおくすりをそろえましょう。
おくすりが嫌いなお子さんには坐薬があります。

カゼをひいたときの発熱は、菌やウイルスに対する身体の大切な防御反応なので、すぐに解熱しない方がよいといわれています。熱冷まし用のシートを貼ってようすをみましょう。

これらのおくすりで胃を悪くする方がいらっしゃいます。なるべく食後に飲みましょう。空腹のときに飲む場合は、クッキーなど何かおなかの中に入れてからにしましょう。

症状が良くなったらすぐにおくすりを飲むのをやめるのがコツです。症状が長引く場合は医師を受診しなければなりません。

妊婦さんは使えない時期があります。購入時はかならず薬剤師に相談してから使いましょう。

くしゃみ、鼻水、せきのおくすり

くしゃみ、鼻水には鼻炎用薬かアレルギー用薬が使えます。どちらも抗ヒスタミン薬という種類のおくすりが主成分です。 鼻炎用は他に鼻の粘膜の炎症を鎮める成分が入っていて鼻づまりに、アレルギー用薬はじんましん、湿疹、かぶれに使えます。

せきをとめ、たんを出やすくするおくすりは鎮咳去痰薬といいます。 気管を広げる成分が入っている場合もあります。

アレルギーによるせきもあるので、アレルギー用薬に入っている抗ヒスタミン薬が一緒に入っているものもあります。

たんが原因でせきが出ていることもあります。そういうときはたんを出やすくする成分だけのおくすり「去痰薬」も使えます。

カゼの症状とおくすりの選び方の例

熱がある+くしゃみ、鼻水=解熱鎮痛薬+鼻炎用薬もしくはアレルギー用薬

熱が下がったけど、まだ鼻水が出る=鼻炎用薬もしくはアレルギー用薬

熱がある+せきがでる=解熱鎮痛薬+鎮咳去痰薬もしくは去痰薬

熱が下がったけど、まだせきが出る=鎮咳去痰薬もしくは去痰薬

熱がある+くしゃみ、鼻水+せき=
解熱鎮痛薬+鼻炎用薬もしくはアレルギー用薬+鎮咳去痰薬もしくは去痰薬
↑コレはダメ!
同じ作用を持つ成分が重なる可能性があります。

熱がある+くしゃみ、鼻水+せき=総合感冒薬

胃痛、腹痛、下痢、便秘のおくすり

同じ胃の痛みでも、症状によって使うおくすりが違います。腹痛も下痢、便秘もタイプが違うと使うおくすりが違います。ご自分の症状をよく薬剤師に話して選んでもらってください。

おくすりの選び方の例 胃痛

空腹時に胃が痛む、胸やけ、げっぷ・・・

胃酸が出過ぎているようです。酸を中和する成分が入っているものを選びます。医療用のおくすりが家庭用のおくすりになったH2ブロッカーというおくすりは胃酸をとめる働きがあります。

食後に胃が痛む、胃がもたれる、食べ過ぎ・・・

消化酵素が入っているものを選びます。
胃酸の分泌を助ける生薬が入っているものも有効です。

暴飲暴食をしがち、宴会続きで胃が疲れている・・・

健胃薬がおすすめです。

ストレスを感じると胃がキリキリ痛む・・・

鎮痛鎮痙薬という種類のおくすりを選ぶとよいでしょう。

傷薬、虫刺され、やけどのおくすり

軽いケガならば水で傷口を洗い流し、救急バンソウコウを貼るだけで大丈夫です。土や砂が傷口に入った場合は、傷口を水でよく洗い流してからオキシドールなどの消毒薬または化膿止めのおくすりを塗っておくといいでしょう。

虫刺されには炎症を鎮める成分とかゆみをおさえる成分が入っているものを選びます。炎症がひどくなることが多いようならばステロイドが入っているものを用意しておくとよいでしょう。ステロイドが入っているものはかぶれなど皮ふ炎を起こしたときにも使えます。

やけどをした場合は、まず水で冷やします。その後に炎症を鎮める成分の入ったものを塗るとよいでしょう。水ぶくれが破れた場合は殺菌消毒作用のあるもの、やけどの傷跡には皮膚の再生をうながすものが使えます。

疲れ目、花粉症の目の症状、ものもらいの目薬

疲れ目、花粉症の目の症状、ものもらいに使用する目薬に入っている主成分はそれぞれ違います。疲れ目はビタミンなど目の筋肉の疲労によいものが主成分ですが、花粉症に使用する目薬は抗アレルギー薬が主成分、ものもらいは感染症ですから抗菌薬が主成分です。
目的にあった使い分けが必要です。

家庭用のおくすりを保管するとき

おくすりの箱やビンには使用期限が書いてあります。箱や説明書は必ずおくすりと一緒に保管しましょう。

日の当たらないところ、子供の手の届かないところに保管しましょう。

自分で別の空き瓶に詰め替えたりするのは厳禁です。

目薬は冷蔵庫の中にしまっておくとよいでしょう。調味料立てに入れて冷蔵庫のポケットにはさんでおくと他のものに触れないので清潔です。

こんな人はおくすりを買うとき必ず相談しましょう

  • 以前におくすりを飲んで発疹などが出た人
  • お子さんのおくすりを選ぶ方
  • 高齢者
  • 血圧の高い人
  • 緑内障の人
  • 糖尿病の人
  • 心臓の病気で治療中の人
  • 肝臓に障害のある人
  • 腎臓に障害のある人
  • 前立腺肥大のある人
  • 気管支喘息の人
  • 甲状腺機能の異常がある人
  • 妊娠中の人、授乳中の人
  • その他の病気の治療で医師からおくすりをもらっている人