医薬品の併用・相互作用について
Q: 最近、どこの薬局でも調剤した薬について説明した紙をくれるのですが、飲み合わせの悪い薬や副作用がたくさん書いてあって不安になってしまいます。
A: 飲み合わせの悪い薬があっても、知らなければ気がつきません。知らないで飲んでしまってから相互作用による症状が出るより、なるべく注意してもらえるよう紙に書いてお渡ししています。副作用も同じです。
何もかも患者さんが一人で判断することはありません。その服用する薬について説明された紙を医師や薬剤師に見せることによって専門家が判断してくれます。これは薬を安全に飲むための工夫なのです。ひとりで悩まないで相談してください。
Q: 2か所の医者から同じような薬をもらっているが大丈夫か。
A: すぐに医師にすべての薬をみせて判断してもらうこと。
Q: Ca拮抗剤を服用しているが、市販のカルシウム剤を服用してよいか。
A: さしつかえありません。作用点が違うので、カルシウム剤を服用してもCa拮抗剤の効果に影響を与えることはありません。
Q: H2ブロッカー胃腸薬とアルコールと一緒に飲んでもいいか。二日酔いにならなくていいと聞いた。
A: H2ブロッカーは胃の痛み、むかつきによく効きますが、二日酔いの予防になるという効果はありません。また、二日酔いの治療薬でもありません。
Q: かぜで医師から薬をもらっているが、咳が止まらないので咳止めがほしい。
A: 医師からもらっている薬の中に、咳止めと同じ働きを持つ成分があるかも知れないので、医師に相談して下さい。
Q: かぜ薬と栄養補給のドリンク剤を一緒に服用してもよいか。
A: かまわないが、カフェイン等一部の成分が重複することがあるので、注意してください。
Q: かぜ薬と葛根湯などの漢方薬を同時に飲みたいのですが。
A: それぞれの薬に、同じ作用をする成分が入っていることがあり、思わぬ副作用を起こすことがあるので、両方一度に飲むのは避けましょう。
Q: かぜ薬を1日3回服用しているが、歯痛の鎮痛剤をいっしょに服用して良いか。
A: 重複する成分があるので止めて下さい。
Q: かぜ薬を飲んでいるが、時間をずらせば咳止めも飲んでいいか。
A: 同じような成分が入っています。体内ですぐには代謝されないため、時間をずらしても同時に飲むのと同じで、思わぬ副作用を起こすことがあります。
Q: テオドール(テオフィリン)を服用しているが、風邪を引いたので、葛根湯を飲みたいが大丈夫か。
A: 葛根湯のマオウが中枢神経刺激作用をもつので、キサンチン系(テオフィリン)との併用には注意が必要です。副作用としては、不眠・動悸・発汗・興奮等がでるかもしれません。このような副作用がでたら、服用を中止し受診してください。
Q: 胃腸薬を常用しているが、鼻水が出るので鼻炎用の12時間タイムピルを服用したところ、30分後から口喝、眼の乾きが始まり、つらい。
A: 胃腸薬の成分と、鼻水止め薬の成分にともに抗コリン作用のあるものが配合されており、両者が重なって口喝や眼の乾きといった作用が強く現れたのでしょう。胃腸薬を服用するのはしばらく止めて、鼻水止め薬のみ服用し、鼻の症状が改善してから、胃腸薬を服用するようにしましょう。
また、胃腸薬は栄養保健薬ではありません。必要な時にだけ、飲んで下さい。常用しないで下さい。
Q: 夏バテでかぜをひいているがかぜ薬と栄養ドリンク剤は同時に服用してもよいか。
A: さしつかえないが、かぜ薬は白湯もしくは水でのみ、その後ドリンク剤を飲んでください。
Q: 眼科で緑内障の点目薬をもらっているが、かぜ薬で服用してはいけないものがあるか教えてほしい。
A: 抗ヒスタミン薬、エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸フェニルドプロパノールアミン、カフェインなどが緑内障に悪い影響を与える成分ですので、それらを含まないかぜ薬をさがせば良いのですが、現実にはそのようなものはみつからないと考えたほうがよいでしょう。なぜなら、かぜ薬は一般にたくさんの症状に効くようにいろいろな成分を配合してつくられているからです。
ですから、かぜの症状をよく医師・薬剤師に説明し、緑内障に影響のない薬を選んでもらうとよいでしょう。
Q: 筋肉痛のため、液剤を塗った後すぐ、パップ剤を貼ってもいいですか。
A: 同じ成分が入っていたりする場合もあり、同時に使用すると作用が強くでることがあるので、一定時間をおいてから使用して下さい。
Q: 高血圧で治療中だが、風邪をひいたのでかぜ薬/鼻炎薬が欲しい。
A: かぜ薬や鼻炎薬には、血圧を上げてしまう成分が含まれていることがあるので、医師の指示で治療してください。
Q: 高血圧のため病院で薬をもらっているが、友人に漢方薬を勧められた。一緒に飲んでもよいか。
A: 自己判断で飲まずに、主治医に相談して下さい。
Q: 腰痛のために薬を飲んでいるが、かぜ薬も一緒に飲んでいいか。
A: かぜ薬の中にも腰痛の薬と同じような成分が入っているので、どちらか一方にした方がよいでしょう。
Q: 総合感冒薬を服用しているが、咳がひどいので咳止めを一緒にしてよいか。
A: 総合感冒薬の中にも咳止めが入っているので、両方は服用しないようにして下さい。熱がなくて咳だけなら咳止めを服用した方がよいでしょう。
Q: 病院で神経痛の薬をもらって飲んでいるが、かぜ薬もあわせて飲んでいいか。
A: 神経痛の薬の種類が分からないとお答えできません。お薬を持ってきてみて下さい。
Q: 病院の内科と整形外科で複数の薬が出されているが、同時に服用してもよいか。
A: 薬が重複しているかもしれません。お薬を持ってきて下さい。
Q: 風邪の咳が特にひどいので、かぜ薬といっしょに咳止めシロップを服用したい。
A: かぜ薬と咳止めシロップには、同じ働きをする成分が入っていることが多いため、重なって普通の薬の量よりも多すぎることになります。思わぬ副作用が起きる元ですから、症状にあわせ、どちらか一方にして下さい。
片方だけではどうしても思わしくない場合、医師にかかる方がいいと思います。病院でもらったかぜ薬と一般用のかぜ薬や咳止めも、一緒に飲んではいけません。また、葛根湯などの漢方薬のかぜ薬もやはりかぜ薬の一種ですから、症状にあわせて、まずどちらか片方を試して下さい。
Q: 薬を飲んだあと、お酒を飲んでもよいですか。
A: 服用後にお酒を飲むと、薬の効き目を増強したり、減少させたりすることが多いので、薬を飲んでいるときには、なるべくお酒を飲まないようにしてください。
Q: 溶かして飲むかぜ薬は体が温まっていい。これで他のかぜ薬を飲むともっと早く治るか。
A: 溶かして飲むタイプでも普通の錠剤や粉薬、貼るタイプでもかぜ薬はかぜ薬の効果があり、見た目は違っても同じです。一緒に飲まないで下さい。