◆◆ジェネリック医薬品とは?
医療用医薬品には同じ成分、同じ効き目でも値段の高い薬(先発医薬品)と安い薬(後発医薬品)があります。後発品は、欧米では一般名(generic
name成分名のこと)で処方されることが多いため、ジェネリック医薬品とも呼ばれています。
どのような画期的な発明の医薬品でも、その発売からおよそ6年後、または特定年月で特許が切れると、その有効成分や製法等は共有の財産になり、医薬品製造業者は自由に医薬品を製造できるようになるため、同じ成分の医薬品より安く国民に提供できるようになります。
◆◆なぜジェネリック医薬品は安いの?
新薬(先発医薬品)を開発するには、約10〜15年の期間と150〜200億円の費用がかかるのに対し、後発医薬品の開発は3〜5年の期間と数千万円程度の費用で済むと言われています。
新薬(先発医薬品)と後発医薬品の開発でここまで差が生じる要因はどこにあるのでしょう?
後発医薬品は、すでに使用された新薬で安全性と有効性が確かめられていますので、ヒトでの安全性や有効性を証明するための臨床試験をする必要がありません。先発医薬品と同じ成分、同じ効き目であることを証明する等、承認申請に必要な試験項目、書類が格段に少ないため安い費用で開発できるのです。
◆◆ジェネリック医薬品は本当に先発医薬品と同じなの?
ジェネリック医薬品と先発医薬品では、主成分が同じでも添加物や製法が異なります。その違いが、薬の効き方などに微妙に現れることもあります。ジェネリック医薬品は、厚生労働省での厳しい審査にパスしたものだけが医薬品として国民に提供されています。しかし、同じ成分でも全く同じ医薬品を作るのは不可能です。これは、ジェネリック医薬品の質が悪いのではなく、先発医薬品とよく似ているが違う医薬品であるということです。
◆◆ジェネリック医薬品のメリットは?
まず、値段が安いことです。ジェネリック医薬品でもメーカーにより値段の差があります。
他にもジェネリック医薬品はメーカーによって様々な特色があります。
先発医薬品が湿気に弱かったり、光に弱い性格を持っていても、ジェネリック医薬品は、それを改善したり、薬の味が改善されていることもあります。小児や老人が飲みやすい剤形等を開発することで、国民の皆様によりよく薬を飲んでもらえるように努力しています。
◆◆日本ではなぜジェネリック医薬品が普及していないの?
医師や患者に「安かろう、悪かろう」のイメージが根強くあることが考えられます。また、ジェネリック医薬品の弱点として、薬を安全に使うための情報が少ないことが挙げられます。医師が安心してお薬を出すために必要な薬の情報や提供体制が、一部の後発医薬品メーカーには出来ていないというイメージがあるのです。
また、販路が少ないために、医療機関や薬局がジェネリック医薬品を入手しにくい事態も生じています。
しかし、最も重要なことは、ジェネリック医薬品は古い薬でもあるということです。新たな効果を謳って新薬が次々と生まれています。早く患者さんに良くなってもらいたくて、医師は新しい薬を使用しているのです。
◆◆これからのジェネリック医薬品
今後、後発医薬品メーカーは、薬剤情報の提供、副作用情報の収集、品質管理、安定供給、メーカーの責任の明確化など、医師や薬剤師から信頼を得られるだけの情報を提供しなければなりません。
また、国は、患者さんや国民の安全性の確保のために後発医薬品の承認審査だけではなく、承認後発売されている後発医薬品の品質のチェックにも、より厳しく目を光らせる必要があるでしょう。
※ 詳しくは、かかりつけの医師、薬剤師にご相談ください。
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